【IT・デジタル活用事例:3】Chatworkへの領収書ファイルの自動アップロード

file upload to chatwork

本シリーズでは、ITスクール「First」の事業運営におけるIT・デジタル活用の具体的な事例をご紹介していきます。今回は、RPAソフト(UiPath)とAPI連携を使って、Chatworkへの領収書ファイル(PDF)の自動アップロードに挑戦したいと思います。

1. 課題設定(ストーリー)

現在、当ITスクールでは毎月一回、各生徒に領収書ファイル(PDF)を発行する際に「Chatwork」にアップロードしています。なお、領収書ファイルの作成自体は既に別のRPAで自動化しています。念のため、作成された領収書ファイルの中身を目視でチェックしてから、Chatworkに手動でアップロードする流れになっています。

ある日、ITスクールの代表は思いました。

 

「やはり、手動でアップロードするのは手間だ」
「目視チェックは人がするとして、アップロードは自動化したいな」
「でも、Chatworkへの自動アップロードは何か難しそう…」

問題意識はありましたが、特に困るほどではなかったので、見て見ぬふりをして、そのまま放置していました。しかし、最近、DXなる概念が流行ってきたこともあり、このままではいけないかもと感じ始めました。

 

「生徒数が増えた場合、間違いなく作業量も比例して膨らむ」
「明らかに単純作業なので、さすがにモチベーションが下がる」

そして、遂に重い腰を上げました。この気乗りしない単純作業に終止符を打つ時がやって来たのです。

 

「メールに添付して送付するのもいいけど、連絡等はChatworkに統一したいな」
「Chatworkへのファイルアップロードは、おそらくAPIの機能が使えるはず」
「領収書ファイルはローカルPCで作成するので、デスクトップ型のRPAでAPIを叩こう」

早速、ネットでChatworkやファイルアップロードについて検索してみました。思った通り、ChatworkにファイルをアップロードするAPIが存在しました。しかし、RPAソフト(UiPath)からAPIをどのように実行するのかを説明した情報は少なかったです。

 

「何とか実装して、この単純作業から解放されたい!」

2. 解決方法

既に作成済みの領収書ファイル(PDF)を、RPAソフト(UiPath)とAPI連携を使って、Chatworkに自動アップロードします。各生徒の領収書に関するデータは事前に管理表ファイル(Excel)に登録するようにしました。管理者がRPAソフトの実行ボタンをクリックし、領収書ファイルが存在した場合のみ、Chatworkにアップロードするようにします。

下記にシステムの全体像を示します。

system structure

構成要素備考
RPAソフト(UiPath)管理表を参照し、領収書ファイルを選択してChatworkにアップロードする
管理表ファイル(Excel)各生徒の領収書に関するデータを登録しておく
領収書ファイル(PDF)領収書は別のRPAで作成済み
Chatwork事前にAPIトークンを発行し、各生徒のルームIDを取得しておく

3. 実行結果

下記のように、管理表ファイル(Excel)に各生徒の領収書に関するデータを登録しておき、RPAソフト(UiPath)を実行すると、Chatworkに領収書ファイル(PDF)が自動アップロードされます。

management table

 

upload file

 

receipt file

4. 考察

今回は、RPAソフト(UiPath)とAPI連携を使って、Chatworkへの領収書ファイル(PDF)の自動アップロードに挑戦してみました。結果的に、下記のようなメリットがあったと思います。

  • アップロードの単純作業から解放された(作業時間の短縮、ストレスの軽減)

今回はシンプルに「作業時間の短縮」の効果が大きかったと思います。手動で作業した場合と比較すると、3~5倍くらい速くなったと感じます。生徒数が増加した場合、より効果が期待されることでしょう。残課題としては、領収書ファイルの中身の目視チェックも自動化できれば、一気通貫でき、完璧になりそうです。

個人的には単純作業から解放された意味は大きかったです。今後の世の中において、人間は何をすべきか、企業は何をすべきか、自分は何をすべきかを自問自答する良いきっかけにもなりました。

今回の取り組みで、「少しくらい手動でやってもいいか」という考え方を抜本から見直していかないと、「ちりつも」で自分の時間がガンガン無くなっていくのだと実感しました。この点は常に意識していきたいと思います。

※参考ITスクール「First」のIT・デジタル活用事例はこちらをご覧ください。